おはようございます!
今日は魔の水曜日です・・・
っというとちょっと怖いですよね
株式市場で「魔の水曜日」という言葉が出てくるとき、
多くの場合は SQ(特別清算指数)、とくに メジャーSQ(MSQ) に絡む値動きを指します。
なぜ水曜日が「魔」と呼ばれるのかを、実際の数値や過去の相場を交えて整理してみましょう。
SQとMSQの基礎整理
SQ(Special Quotation):先物・オプションの最終決済価格。毎月第2金曜に算出。
MSQ(メジャーSQ):3月・6月・9月・12月の第2金曜。
日経225先物、TOPIX先物、オプションなど複数の清算が重なるため、建玉整理の規模が数兆円単位に膨らむ。
※ 参考:2024年6月のMSQでは、日経225先物・オプションの最終建玉残高が 約40兆円規模 に達していました。
なぜ「水曜日」が危険信号になるのか?
SQは金曜日に算出されますが、実際に市場が動き始めるのは 水曜〜木曜。
機関投資家や海外勢が 先物・オプションのヘッジを前倒しで調整
巨額の裁定解消売買(先物売り+現物売り or その逆)が発生
需給が一気に傾き、TOPIXや日経平均が数百円単位で急変動することも
つまり「魔の水曜日」とは、MSQに向けた建玉調整が一気に表面化するタイミングを意味します。
過去の「魔の水曜日」事例
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2016年6月 MSQ前
英EU離脱(Brexit)懸念が重なり、SQ週の水曜日に日経平均は前日比 -479円安(-2.9%)。
投資家は「MSQに向けた先物売り」と「イベントリスク回避」が重なった動きと解釈。 -
2020年3月 MSQ前
コロナショック真っただ中。3月11日(水)の日経平均は 1,000円超の下落。
SQ週の水曜に、海外投資家の先物売りと裁定解消売りが一気に噴出した典型例。 -
2023年9月 MSQ週
水曜の時点でTOPIX先物に大口売りが出て、日経平均は一時 -300円。翌金曜のMSQ算出時には大きな乱高下。
投資家が意識すべきポイント
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裁定取引の解消規模
SQ週に入ると、証券会社や日銀統計で「裁定残高」が注目されます。
裁定買い残が膨らんでいる時は、水曜以降に解消売りが一気に出るリスク。 -
海外投資家の動向
水曜の先物売買高に注目。とくにCME日経先物のポジション調整が東京市場に波及する。 -
ボラティリティ上昇
水曜から木曜にかけてオプションのIV(インプライド・ボラティリティ)が急上昇するケースが多い。
きらトレメモ
「魔の水曜日」はオカルトではなく、
MSQに絡む巨額の建玉調整が動き出す日です。
経験者ほど「MSQ週の水曜・木曜は相場が荒れる前提で臨む」ことが多いもの。
だからこそ、ポジションの縮小や、あえて短期勝負に徹するなどの戦略が重要です。
相場に流れる需給の波を知ることは、トレーダーにとって最大の武器になります。
きらトレでは、こうした MSQと需給の仕組み、過去の相場事例を通じて「プロが意識している相場の裏側」を学べます。
数字に裏づけられた知識は、相場を恐れる気持ちを「冷静な判断力」へ変えてくれますよ。