魔の水曜日とは?MSQ前に相場が荒れる理由 2025年9月10日

おはようございます!

今日は魔の水曜日です・・・
っというとちょっと怖いですよね

株式市場で「魔の水曜日」という言葉が出てくるとき、
多くの場合は SQ(特別清算指数)、とくに メジャーSQ(MSQ) に絡む値動きを指します。
なぜ水曜日が「魔」と呼ばれるのかを、実際の数値や過去の相場を交えて整理してみましょう。


SQとMSQの基礎整理

SQ(Special Quotation):先物・オプションの最終決済価格。毎月第2金曜に算出。

MSQ(メジャーSQ):3月・6月・9月・12月の第2金曜。
日経225先物、TOPIX先物、オプションなど複数の清算が重なるため、建玉整理の規模が数兆円単位に膨らむ。

※ 参考:2024年6月のMSQでは、日経225先物・オプションの最終建玉残高が 約40兆円規模 に達していました。


なぜ「水曜日」が危険信号になるのか?

SQは金曜日に算出されますが、実際に市場が動き始めるのは 水曜〜木曜

機関投資家や海外勢が 先物・オプションのヘッジを前倒しで調整

巨額の裁定解消売買(先物売り+現物売り or その逆)が発生

需給が一気に傾き、TOPIXや日経平均が数百円単位で急変動することも

つまり「魔の水曜日」とは、MSQに向けた建玉調整が一気に表面化するタイミングを意味します。


過去の「魔の水曜日」事例

  • 2016年6月 MSQ前
    英EU離脱(Brexit)懸念が重なり、SQ週の水曜日に日経平均は前日比 -479円安(-2.9%)
    投資家は「MSQに向けた先物売り」と「イベントリスク回避」が重なった動きと解釈。

  • 2020年3月 MSQ前
    コロナショック真っただ中。3月11日(水)の日経平均は 1,000円超の下落
    SQ週の水曜に、海外投資家の先物売りと裁定解消売りが一気に噴出した典型例。

  • 2023年9月 MSQ週
    水曜の時点でTOPIX先物に大口売りが出て、日経平均は一時 -300円。翌金曜のMSQ算出時には大きな乱高下。


投資家が意識すべきポイント

  1. 裁定取引の解消規模
    SQ週に入ると、証券会社や日銀統計で「裁定残高」が注目されます。
    裁定買い残が膨らんでいる時は、水曜以降に解消売りが一気に出るリスク。

  2. 海外投資家の動向
    水曜の先物売買高に注目。とくにCME日経先物のポジション調整が東京市場に波及する。

  3. ボラティリティ上昇
    水曜から木曜にかけてオプションのIV(インプライド・ボラティリティ)が急上昇するケースが多い。


きらトレメモ

「魔の水曜日」はオカルトではなく、
MSQに絡む巨額の建玉調整が動き出す日です。

経験者ほど「MSQ週の水曜・木曜は相場が荒れる前提で臨む」ことが多いもの。
だからこそ、ポジションの縮小や、あえて短期勝負に徹するなどの戦略が重要です。

相場に流れる需給の波を知ることは、トレーダーにとって最大の武器になります。


きらトレでは、こうした MSQと需給の仕組み、過去の相場事例を通じて「プロが意識している相場の裏側」を学べます。
数字に裏づけられた知識は、相場を恐れる気持ちを「冷静な判断力」へ変えてくれますよ。