移動平均線のクロスって何? ― 売買サインになる理由

こんにちは、城晶子です

 

移動平均線がクロスしたら買いサインって聞いたけど、
なんで線が交わるだけで株が上がるの?

とてもいい質問ですね。
今日は、チャートの基本中の基本「クロス」が
なぜ多くの投資家に注目されているのかを見ていきましょう


まずは「クロス」の意味を知ろう

移動平均線には、次のような種類があります。

  • 短期線(5日線や10日線) … 直近の株価の平均。反応が早い。

  • 長期線(25日線や75日線) … 全体の流れを表す。動きはゆるやか。

この2本が交わるポイントが「クロス」。
そのうち

  • ゴールデンクロス(GC):短期線が長期線を下から上へ抜ける → 買いサイン

  • デッドクロス(DC):短期線が長期線を上から下へ抜ける → 売りサイン

と言われています


なぜクロスが売買サインになるの?

① 最近の勢いが「過去より強くなった」サイン

短期線は今の株価を、長期線は過去の株価を表しています。
短期線が長期線を上に抜けるということは、
「最近の株価が過去より上がってきている」=勢いが上向きということ。

つまり「下降から上昇へ」「上昇から下降へ」という
トレンド転換の兆しを示しているのです。


② 多くの投資家が「クロス」で動く

実は、クロスは心理の転換点でもあります。

多くの投資家が「ゴールデンクロス=上昇」と意識しているため、
その瞬間に買いが集中し、実際に上がるきっかけになることもあります。
逆にデッドクロスでは、
「そろそろ下がりそう…」と感じた投資家が売りを出しやすくなります。


③ 「トレンドの勢い」を見やすくする

クロス後、短期線と長期線の距離(乖離)が広がるほど、
その方向の勢い(モメンタム)が強いと判断できます。
特にクロス直後は初動をつかめるチャンスでもあり、
うまく活用すれば流れに乗る投資ができるようになります。


きらトレメモ

クロスは「転換のきっかけ」であって「確定」ではありません。
一度クロスしてもダマシになることがあります。
出来高・ローソク足・MACDなど他の指標と合わせて、
「本当にトレンドが変わったか」を確かめましょう


クロスとは

クロスの種類 意味 投資家心理 行動のヒント
ゴールデンクロス 上昇転換の兆し 買い意欲が高まる 買いエントリーを検討
デッドクロス 下落転換の兆し 利確・手仕舞いムード 売り・様子見に切り替え

おわりに

移動平均線のクロスは、チャートの「転換シグナル」としてとても有名ですが、
実はその背景には投資家の心理相場の勢いが隠れています。

「クロスを見たら終わり」ではなく、
「ここからどんな流れが生まれるのか」を想像できるようになると、
チャートがぐっと楽しくなりますよ