「大きなお金は、座って待つことで得られる」
ジェシー・リバモアの言葉として知られているものです。
株式投資をしていると、買うタイミングばかり気になりませんか。どこで買えばいいのか、いつ売ればいいのか。少し株価が動けば気になるし、持っている株が上がれば、もっと上がるのではないかと思う。
でも、相場で大きな利益を得るためには、売買することだけでなく、待つことも必要です。
今回は、この言葉を残したことで知られるジェシー・リバモアについて書いてみたいと思います。
14歳から株価を見続けた少年
1877年に生まれたリバモアは、14歳のときに証券会社で株価を黒板に書き写す仕事を始めました。当時は今のようにスマートフォンでチャートを見ることなどできません。彼は毎日、株価の数字を記録しながら、その動きを観察していました。
数字を見続けるうちに、株価には一定の動き方やクセがあることに気づいていきます。
その後、株価の動きを利用した売買で利益を上げるようになり、若くして頭角を現しました。
今でもチャートを見ていると、同じような動きが繰り返されることがあります。もちろん、まったく同じ相場が再現されるわけではありませんが、過去の値動きから何かを読み取ろうとする姿勢は、今の私たちにも通じるものがあります。
大きく勝ったからといって、ずっと勝てるわけではない
リバモアは1907年の金融危機や1929年の世界恐慌の際、空売りによって巨額の利益を得た人物として知られています。
株価が下がる局面で利益を上げたことから、相場の下落を見抜いた投機家として語られることも多い人物です。
ただ、彼の人生は成功ばかりではありませんでした。大きな利益を得た一方で、何度も資金を失い、破産も経験しています。
ここは、投資をする私たちも考えておきたいところです。
相場を読む力があることと、資金を守りながら長く勝ち続けることは、同じではありません。
一度大きく利益を出すと、自分の判断に自信がつきます。次も同じようにいけると思ってしまうこともあるでしょう。でも、相場はいつも同じ動きをするわけではありません。
うまくいったときこそ、自分の判断が本当に正しかったのか、それとも相場環境に助けられたのかを考える必要があるのだと思います。
待つことと、ただ持ち続けることは違う
リバモアの言葉にある「座って待つ」という考え方。これを、株を買ったら何もせずに持ち続ければいい、という意味で受け取るのは少し違うと思います。
例えば、買った株が下がったとします。
少し下がっただけで不安になり、すぐに売ってしまう人もいれば、いつか戻るはずだと考えて、そのまま持ち続ける人もいます。
どちらが正しいかは、下がったという事実だけでは判断できません。
なぜ買ったのか。どんな値動きを期待していたのか。自分が考えていたシナリオが崩れたら、どうするつもりだったのか。
こうしたことを考えずに持ち続けるのは、待っているというより、判断を先送りしているだけかもしれません。
反対に、買ったときの条件が崩れておらず、想定した値動きの範囲内であれば、少しの下落に慌てる必要はない場合もあります。
利益が出ると、今のうちに利益を確定したくなる。含み損になると、損を確定させたくなくなる。株価が動かなければ、何か別の銘柄を買いたくなる。
相場を見ていると、つい何かをしたくなるものです。
だからこそ、売買する前に自分なりのルールを決めておくことが大切なのだと思います。
何もしないという判断もある
チャートを見ていても、自分の売買ルールに合う場面が見つからないことはあります。
そんなとき、無理に売買する必要はありません。
株価が上がっているから買うのではなく、自分が考えていた条件がそろったから買う。反対に、条件がそろわなければ見送る。
言葉にすると簡単ですが、実際にお金が動いていると、これがなかなか難しいんですよね。
ほかの銘柄が上がっていると、乗り遅れたような気持ちになることもあります。自分だけ何もしていないと、チャンスを逃しているように感じることもあるでしょう。
でも、相場は明日もあります。
今日、無理に売買しなくてもいい。自分の得意な形になるまで待つ。自分の考えと違う動きになったら、いったん手を引く。
こうした判断も、投資を続けていくうえでは大切です。
リバモアは大きな利益を上げた一方で、何度も大きな損失を経験しました。彼の人生を振り返ると、相場で利益を得ることだけでなく、その利益をどう守るかという問題も見えてきます。
株式投資では、買う技術や売る技術に目が向きがちです。でも、自分がどんなときに焦るのか、どんなときにルールを破りたくなるのかを知っておくことも、同じくらい大切なのではないでしょうか。
皆さんは、どんなときに待てなくなりますか。
利益が減るのが怖いときでしょうか。それとも、なかなか株価が動かず、何かしたくなったときでしょうか。
自分のクセを知ることも、投資の勉強のひとつだと思います。



